WiMAXはどのプランを選ぶべきか?
WiMAXはKDDIの子会社であるUQコミュニケーションズ株式会社が運営している有料ポケットWiFiサービスであり、現在全国で契約者数が3500万人以上にも上ります。サービスの内容自体は他の様々なポケットWiFiサービスと変わらず、外出先でもインターネット通信をおこなうことができるものですが、特筆すべき点はそのデータ通信のボリュームに対するコストパフォーマンスです。
サブプランでも3日間で10GBの通信が可能なのにも関わらず、メインプランでは3日間でなんと15GBの通信が可能。さらに3日間で15GBの通信が可能なギガ放題プラスプランであれば月々たったの4,000円程度で3年間に渡り使用できるということで、こちらがいま最も人気のコースと言えるでしょう。
さて、そんなWiMAXですが、今回は最新の2つのプランをご紹介します。中には公式サイトを見てもあまりピンとこない方もいらっしゃると思いますので、「どこが凄いのか」「どこがこれまでと違うのか?」なども含めて分かりやすく説明していきます。
現在の主流プランは2つ
いまBroad WiMAXで取り扱われている主流のWiMAXプランは「ギガ放題プランDX」と「ギガ放題プラス」の2つ。
ギガ放題プラスDX | ギガ放題プラス |
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ダウンロード速度最大2.7Gbps | ダウンロード速度最大2.7Gbps |
3日間で15GBまで使用可能 |
3日間で15GBまで使用可能 |
プラスエリアモード月間15GBまで利用可 |
プラスエリアモード月間15GBまで利用可 |
月額利用料3か月目〜3,894円 | 月額利用料3か月目〜4,634円 |
契約年数:3年 | 契約年数:2年 |
端末代21,780円 | 端末代21,780円 |
プランの途中変更は不可 | プランの途中変更は不可 |
対応エリアはWiMAX本来の回線に加えてauの4G/5G回線のエリアも使用可能 | 同じくWiMAX+au4G+au5Gを使用可 |
この表を見て分かる通り、それぞれのプランの違いは契約年数と月額料金の2つのみとなっています。
従来のプランとの違い
2021年秋頃から上記2つのギガ放題プラスプランが登場しましたが、それまでは「ギガ放題プラン」というプランが最も新しくお得なコースでした。今でも契約することはできますが、あくまでもサブプランという扱いになってしまい、最新のギガ放題プラスプランなどと見比べるとやはり劣っているように見えてしまいます。
かつて主流だったギガ放題プラン |
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ダウンロード速度1.2Gbps |
3日間で10GBまで使用可能 |
プラスエリアモード月間7GBまで利用可 |
月額利用料3か月目〜3,753円 |
契約年数:3年 |
端末代0円 |
プランの途中変更は不可 |
対応エリアはWiMAx2+の回線のみ |
他プランと異なる項目に関しては背景色を変更しておきましたので、その部分にのみ注目してください。このように、料金がほとんど変わらないのにも関わらず、サービスの質が極めて低いように感じます。
ギガ放題プランは実際にデータ通信がおこなえる標準モードのコスパは最も優れていますが、それも微々たる差。実際には対応エリアがギガ放題プラスプランなどに比べて劣っており、もしプラスエリアモードというサービスを使い切ってしまうと、なぜか標準のデータ通信時に厳しすぎる規制が入れられてしまうため、個人的にはギガ放題プランはもうすでに時代遅れなのではないかと考えています。
プラスエリアモードとは?
本来、WiMAXはWiMAX2+という回線を使ってユーザーがインターネットに接続できるようなサービスでした。しかし、対応しているエリアをさらに充実させるために付属型サービスとして追加されたものがプラスエリアモードです。このモードは、標準のモードを使っている時とはまた別腹でデータ通信がおこなえる機能。
WiMAXの標準回線ではなく、auの携帯電話の方の回線を使わせてもらうことができるため、実質携帯電話と同じ広域でネットが使えるようになるということになります。ただ、あくまでもメインとして使うのではなく、WiMAXの回線だけでは不十分だと感じた特定のエリアでのみ使用します。そのため、プラスエリアモードに関しては月間で15GB/7GBまでしか使用できないという少々厳しめのルールがあるのです。
そして、もしギガ放題プランで契約をしてしまうと、この規制がとても厳しいものとなり、プラスエリアモードで使用できるデータ通信量は月間たったの7GBのみ。さらに、これを越えてしまった場合は、なぜか標準モード3日間で10GBというルールすら崩れ、これが常時128kbpsという極端に悪質な回線速度へと切り替えられてしまいます。
それなのにも関わらず月額利用料金は最新のギガ放題プラスDXプランとほとんど変わりません。
料金やサービス内容を鑑みると、一般のギガ放題プランの契約はやめた方がいいでしょう。インターネットはいざという時に私たちのあらゆる悩みを解決してくれる素晴らしいコンテンツです。であれば、これをできる限り自由に利用できるプランを選択するのが賢いとは思わないでしょうか。極めつけは値段の部分。ギガ放題プランを契約したときの月々のコストが3,753円なのにも関わらず、サービスの内容で圧倒的に優れているはずのギガ放題プラスDXプランの月額料金は3,894円。
例えば、WiMAX本来の回線では対応していない圏外の地域に足を運んでしまったときに、ギガ放題プランしか契約していないと、プラスエリアモードに切り替えても一か月の間で7GBしかデータ通信がおこなえず、さらに超過してしまうと普段使っている標準モードの通信速度が著しく規制されてしまうのです。これはあまりにも理不尽ではないでしょうか。
しかし、ギガ放題DXプランであればそのような場合でも月間15GBまで使用可能となっているどころか、使いすぎてしまったも規制を受けることがないのです。プラスエリアモードを15GB全て消費したあとでも、標準モードは標準モードで普段通りの通信速度でネットを楽しむことができるため、2022年以降にこの記事を読まれている方は必ず「ギガ放題DXプラン」を契約した方がいいでしょう。
今後のプラン増設はある?
先に述べた通り、WiMAXのプランは3つが存在し「ギガ放題プラスDXプラン」と「ギガ放題プラスプラン」、そして古いものとなった「ギガ放題プラン」です。かつてギガ放題プランが新登場したのはもうすでに5年ほど前でしょうか。
現在、世界はコロナ禍ではあるものの5G(移動通信システム:携帯電話などの無線技術を使ったサービスの進化)という時代の新しい波が無線業界に革命をもたらそうとしています。
もし、今後データ通信速度が何十倍にも跳ね上がったとしたら、おそらくいま主流となっている「ギガ放題プラスDXプラン」でさえあまりにも事足りないサービスだと言われることとなるでしょう。すると、自然と新しいサービス内容を作っていけなければなりませんが、その時に求められるハードルはとても高いものとなるはず。
何十倍もの速度でデータ通信がおこなえるということは、それ相応のインターネットコンテンツが登場するのは必然。つまり、WiMAXはITインフラと共に益々有意義なプランが誕生していくのではないかと思います。そのとき、なるべく早いタイミングでサービスを利用するためには、いますでにリリースされているプランを早めに契約しておき、新しいプランが登場したときに高額な違約金を支払わなくて済むようにしておくのが吉かもしれません。